スマートフォンを与えるのは「あり」ですが、
話し合って「ルール」を決めるのが条件です。
皆さん、こんにちは。「勉強のやり方」を教える塾、プラスティー代表の清水章弘です。 今回のテーマは「子どもにスマートフォンを買ってあげてもよいか」です。
いまや、PCは生活に必須という時代です。そのPCに加え、スマートフォンを使うお子さまも増えてきています。しかし、スマートフォンは便利な反面、ゲームやネットにのめり込んでしまうことも多くあります。
本当に買い与えてよいものかどうか、悩んでいらっしゃる保護者の方は少なくないのではないでしょうか。今日はそんな心配にお応えします。
スマートフォンは買ってあげてもよいのでしょうか。結論から言うと、私は「条件付きであれば大丈夫」と考えています。
スマートフォンは、調べものをするのにも連絡手段としても便利ですから、必要に応じて買い与えてもよいでしょう。しかし、便利な反面、注意が必要なのも事実です。
なぜなら、ゲームやネットといった遊びの「誘惑」が多すぎるからです。PCは家でしか基本的には使えませんが、スマートフォンはどこでも使うことができます。実際、はやりのRPG「パズル&ドラゴンズ」や無料通話・メールアプリの「LINE」にはまってしまい、勉強が手につかなくなるお子さまもいます。
今回のご相談は多くの保護者の方々からいただくのですが、皆さまには、「買ってあげても大丈夫ですが、ルールを決めてください」とお願いしています。遊びだけにのめり込まないように、はじめにルールを定めておくのです。
私は、中学2年生のときに携帯電話を持ちました。通塾で帰りが遅くなるからという理由で買ってもらいました。しかし、まわりの友だちとたくさんメールをするようになるのは目に見えていました。
そこで、母親とあるルールを決めていました。 それは「クラスでの成績が◯番以内から落ちたら、インターネットを解約する」というもの。メールもできなくなりますし、ただのオモチャになったら困るので、しっかりと勉強に励んでいました。実際に順位が落ちてしまったときには、最初のルールを確認した上で、容赦なく解約させられました。
このように、ルールがあれば、お子さまが勉強をおろそかにすることも防げますし、万が一そうなっても、すぐに取り上げることができます。
ただ、ルールの決め方には気をつけてください。親が一方的に決めるのではなく、話し合ってお互い納得することが大切です。もちろん、ルールは適宜見直して構いません。
私が中学生のときは、ルールが守れているか、ルールが適切かどうかを定期試験ごとに親と話し合っていました。ちなみに、このおかげで結果的に、定期的に行動を見直したり、次の目標を立てたりする癖が自然とついたように思えます。
では、ルールはどんなものがよいのでしょうか。ゲームやネットにのめり込んでしまうのを防ぐためには、使いすぎを予防するルールがいいでしょう。
具体的には、次のようなものが挙げられます。
「夜の◯時以降は使わない」
「勉強中はリビングに置く」
「ゲームやネットを制限する設定にする」
ご家庭によって違うルールであってよいのですが、大切なのは、スマートフォンを使うなら約束を守らなければいけないと、お子さまがしっかりと理解していることです。
たとえば、体調を壊してはいけないので、夜遅くまで使わないようにしよう、などと前もって話しておけば、目的を理解して「ルール」を守りやすくなります。「ルールは自分のためにある」と納得させておくとよいでしょう。
約束を守れないようであれば、その都度ルールと照らし合わせて、今後のスマートフォンとの付き合い方を一緒に議論するようにしてください。
いかがでしょうか。
今回私がお伝えしたかったことは、スマートフォンをお子さまに与えるのであれば、メリット・デメリットについて話し合い、ルールを一緒に決めてからにしましょう、ということでした。
スマートフォンなどの扱いには、お子さまのある程度の自律性が必要です。
もしルールが守れそうになければ、スマートフォンを買い与えるのを先延ばしにするのもいいかもしれません。
清水章弘-2011年に東京大学教育学部を卒業し、東京大学大学院教育研究科に進学。2008年に、学習塾プラスティーを立ち上げた若き起業家としても注目されている。これまでに6冊の本を出版し、中学生・高校生に「勉強のやり方」を伝えている。著書に『中学生からの勉強のやり方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)や『現役東大生が教える! 頭がよくなる7つの習慣』(PHP文庫)がある。