「まちがえるところがすっきりわかる」シリーズは中学入試に向けて勉強をはじめたみなさんが、つまずいたところをしっかり理解できるように作られた問題集です。中学入試対策では苦手分野を作らないことが大切です。この本では、入試の基礎となる問題を選び、受験生がまちがえやすいポイントを丁寧に解説しています。
この「入試問題にチャレンジ」コーナーでは、実際の入試問題を本書から掲載します。ぜひ挑戦してください!受験生がまちがえやすい問題やポイントをもっと学習したい方は、本書をご購入ください。
平安時代に入ると,貴族の間に日記を書くことが流行しました。資料①・②は当時の貴族の日記です。 (広島女学院中学校)
【資料①】長和(ちょうわ)五年(1016年)1月29日
…私は後一条天皇(ごいちじょうてんのう)にお会いして,お祝いの言葉をもうし上げた。私は摂政(せっしょう)に任じられた。
【資料②】寛仁(かんじん)二年(1018 年)10 月16 日
今日,[ ]の娘が,後一条天皇のきさきとなった。(これで, [ ]の家からは3人も天皇のきさきが出たことになるが,まったく先例のないことである。) [ ]は私を招き呼んで,…歌をよんだ。「この世をばわが世とぞ思う 望月(もちづき)のかけたることも なしと思えば」
※後一条天皇…父は一条天皇,母は[ ]の娘。天皇の位についたときは8歳であった。
(1) 資料①の中の「私」と,資料②の空欄に入るのは同一人物です。この人物の名を答えなさい。
(2) (1)の人物は,朝廷(ちょうてい)の中心として政治を動かすようになっていきました。この人物がどのようにして権力を手にしたのか,彼と天皇の関係と,彼が任じられた役職の役割に注目し,資料①・②の内容を参考にして説明しなさい。
『中学入試 社会のまちがえるところがすっきりわかる』(83ページ)から出題しました。本シリーズは「算数文章題」「算数図形」「国語文章読解」「理科」「社会」があります。
(1)藤原道長(ふじわらのみちなが)
(2)天皇の親せきになり,摂政の役職について天皇を助け,権力を強めた。
(1) 資料①で1016年に摂政についていること,資料②で望月(もちづき)の歌をよんでいることから,藤原道長とわかる。
(2)※の文章から後一条天皇は藤原道長の孫とわかる。また,資料②から,また藤原道長の娘が後一条天皇のきさきになっていることがわかる。このことから,藤原氏は天皇家と親せきとなり,結びつきを強めていることがわかる。