2010-04-02

はばたくチカラ
中学生・高校生の部活File

志望校選択の1つになる「部活動」。中学校と比べて、高校は部活動の種類がたくさんあります。さまざまな部活動を通じて輝いている高校生の姿を編集部が取材します。
※今回は部活動ではなく、委員会活動を取材しました。

錦城高等学校 新聞委員会(後編)

編集委員数 1年5名 2年3名 3年5名
委員会の特徴 『錦城高校新聞』は1964年12月に創刊され、活動が低迷し一度は休刊しましたが、2001年に再刊。当時はワープロで原稿を作り印刷したものを、レイアウトに応じて切り貼りしていたそうですが、現在はMicrosoft Office Word(ワード)でレイアウトしています。年間に17、18号程度刊行する同新聞は校内の話題、行事など、錦城高校の生徒の身近なテーマを中心に取り上げています。2009年度東京都学校新聞コンクール1位、2010年度全国高等学校総合文化祭(宮崎)東京都代表など、高い評価を受けています。(委員長:中山涼子さん)

錦城高等学校 新聞委員会

左から 中山涼子さん、松井巖先生、福住勇矢さん

皆さんの学校のなかには校内新聞を発行しているところもあるでしょう。錦城高校新聞委員会が発行する『錦城高校新聞』のモットーは「錦城高校の生徒のための新聞」。主には、校内の行事や話題、生徒たちをテーマにして作成されています。そんな『錦城高校新聞委員会編集室』について、難関国立大学を合格されたばかりの前編集長の福住勇矢さん(高3)、委員長の中山涼子さん(高2)と顧問の松井巖先生にお話を伺いました。

■冷たい雨の中、ひたすら「正」の字を書いていた私…
-これまでの経験のなかで印象に残っている出来事がありましたら、教えてください。
中山さん
『登校調査』の記事を手がけた経験です。印象に残っているっていうか、一番取材に苦労したというか(笑)
うちの学校は1700名近くもの生徒がいるので、通学時はそれこそ「大移動」になるんです。その様子を「徒歩編」「電車編」「バス編」としてそれぞれ調査して記事にしました。
その取材のとき、ちょっと連絡の行き違いがあって、なんと私ひとりで取材を決行しちゃったんです。それも、取材決行の日は運悪く雨! おまけにとっても寒い日で…。傘をさしながら、生徒が通学してくる様子を写真で撮りつつ、登校時間別に生徒数を調べました。調べ方ですか? メモ帳に「正の字」を書いていったんですよ! 一人でぶつぶつ数をカウントしながらひたすら正の字を書きました。あれは本当に大変な取材でした。でも、嬉しいことに、この記事は全国大会で高い評価をいただきました。生徒指導の先生も朝会で取りあげてくださいましたし。そのときは「あぁ、寒かったし辛かったけど、やってみてよかったなぁ」って思いましたね。
■積み重ねることの大切さを学んだ高校生活
-高校の3年間で一番学んだことや、伸びたと感じることは何ですか?
福住くん
何よりも「積み重ねの大切さ」を学びました。
錦城高校新聞委員会では毎年、先輩方が「新聞作成マニュアル」を残してくださるのですが、これは知識と技術の集約です。長年蓄積されたノウハウが詰まったこのマニュアル本は、先輩から後輩へと確実に受け継がれています。 また、新聞作りの工程ではアイデアを出し、それを形にするためコツコツとリサーチを行います。このように、新聞作成に携わることは、小さなことから始めなければならないことがたくさんあります。これがまさに積み重ねにつながります。
松井先生
で、じつはこの「積み重ね」は勉強に取り組む姿勢にも言えることなんですよね。小さな努力が集約されてやがて大きな力になるわけです。
福住くん
それに、時間管理についても徹底できるようになりました。うちの学校はクラブ加入率が高いのが特徴ですが、どのクラブもメリハリをつけて活動しています。運動系、文化系ともに遅くまで残ることはほとんどなく、限られた時間でしっかり集中する。そうすることで効率もグンと上がります。これが時間管理を徹底するということなんです。
■将来は新聞記者になりたい!
-福住くんは公募推薦で難関国立大学の物理学科に合格されたそうですね。どのように進路を選びましたか? また将来の夢があれば聞かせてください。
福住くん
志望方向は1年次からある程度考えてはいました。高校3年生の7月の時点で、推薦は確率が低いのでやめようと半ば諦めていたのですが、担任の先生から「福住ならできる! 自信をもってやってごらんよ」と、後押ししてもらいました。いまになって思い返すと、あのときに諦めずに取り組んでよかったと思います。
大学では物理を勉強したいと考えています。具体的には力学から突き詰めて学んでいきたいです。そして、知らないことをすべて知り尽くしたい。将来は研究職か教職に就きたいと思っています。
松井先生
私としては、福住君には新聞委員会の経験を活かすならば、「科学ジャーナリスト」になんかどうかなと思っています。科学を正確にわかりやすく伝えるしごとは、これから増々重要になっていくと思います。
中山さん
私は中学生の頃から、漠然と文章を書く仕事に就きたいなぁと考えていました。
そして新聞委員会に携わるようになってからは、将来は新聞記者になりたいと思っています。
新聞制作を通して学んだことは、知らないことは事前にしっかり予習して知識を備えた状態で取材に臨むこと。そして、自分の意見だけにとらわれず、物事をいろんな方面から見ることが大事だということです。
将来はどんな記事でも書ける記者になりたい。そして、読者にわかりやすく伝わる記事を作りたいんです。
■すべては自分次第。自分を信じてコツコツ努力を続けよう!
-最後に、これから受験生になる中学生にメッセージをお願いします。
福住くん
毎日毎日、休まず勉強しているうちに視野が狭まり、煮詰まってしまう受験生もいるかもしれません。そんなときは一度勉強から離れてみることが必要だと思います。できたら丸1日、それが無理なら1時間、10分でもいいから好きなことをやってみてください。きっと、心にもゆとりができ、勉強に向けて新たなやる気が生まれてくると思いますよ。
逆に、勉強時間が少なくて不安に感じている受験生は、とにかく勉強に向き合わないといけません。まずはペンを握って一問ずつ問題を解いてください。この積み重ねが大事です。
最後にもうひとつ言いたいことがあります。じつは僕は高校受験のとき、第一志望の高校に落ちました。でも今は錦城に入って本当によかったと思っています。「受験」という枠の中で考えると、第一志望校に落ちてしまったことは、失敗かもしれません。でも、たとえ志望していた学校に受かったとしても、良い高校生活を送れたかどうかについてはわかりません。第一志望ではない学校に通うことになっても、入学後にどれだけ頑張れるかで決まると思います。すべては、自分次第。自分を信じて小さなことからコツコツ努力していってください。
中山さん
私は中学のとき正直すごくつらかったんです。なぜなら何のために勉強するのかわからなくなっていたから。いつも自分のためじゃなくて、塾や学校の先生、親のために勉強していたんです。でも、いまは、自分主体で物事を考えることができるようになりました。その意味で、学校の勉強を支える、クラブ活動や生徒会活動が重要だと思います。 だから、今勉強が辛くてプレッシャーに感じている人は、自分のために勉強をしていると思ってほしい。その勉強は絶対ムダにはなりませんよ!
<松井先生からメッセージ>

勉強ができなくて困っている人、やる気が出ない人へ。
小さな成功を積み重ねましょう。
小テストにちょっとだけ備えてごらんなさい。
今まで3点だったのが、5点になるかもしれない。
小さな達成感を積み重ねていくことが大きな自信に繋がります。
それを周りの大人たちが手助けしてあげましょう。
どうして3点よりも5点になったのかを一緒に考えてみてください。
ただ「やればできるじゃない」といった、ほめ言葉だけではなくなぜ結果が出たのか、一緒になって分析してみる。 前日に単語練習をしていたことなど、このテストに対してどんな勉強をしたのか、そのプロセスを聞いてあげることが大切なのです。
大人たちは、努力を積み上げていくことの大切さを指導していかなければいけないと私は考えています。
皆さんの小さな積み重ねが大きな力を導くことを祈っていますよ。




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