2009-12-18

はばたくチカラ
中学生・高校生の部活File

志望校選択の理由のひとつになる「部活動」。さまざまな部活動を通じて輝いている先輩方の姿を編集部が取材します。

千葉県立幕張総合高校 将棋部(前編)

部員数 男子13名 女子11名
部活動の特徴 男子も女子も、目標は常に全国優勝です。男子は経験者もいますが、女子部員はほとんどが初心者です。駒(こま)の動かし方から、ルールや戦法まで、覚えることはたくさんありますが、経験者が楽しく丁寧に指導します。みんなで強くなろうが合言葉です。相手の指し手の意図を読みながら、自分の主張を指し手で示すことで会話する世界――それが将棋の楽しいところで、いちばんの醍醐味です。自分の主張が通って、勝った時の喜びは最高ですね。(顧問:松丸健一先生)

幕張総合高校の将棋部は男子、女子ともに強豪校として全国的に知られています。女子は高校に入学してから将棋をはじめたという生徒ばかりですが、女子団体(1チーム3名)では9年連続の県大会優勝、3度の全国大会優勝を果たしています。今年度も女子団体で全国大会優勝という輝かしい栄冠を手にした小嶋さん、宮本さん、小林さんも入学当初はまったくの初心者でした。そんな高校生棋士、そう、今どきの将棋ガールズにお話を伺いました。

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左から 松丸先生、宮本さん、小林さん、小嶋さん

-まずはじめにみなさんにお聞きします。中学生のときの自分をひと言で表すと?
小嶋さん
目立ちたがり屋とイベント好き。あ、ふたつになっちゃった(笑)。
宮本さん
ズバリ、皆勤賞! 部活も学校も一度も休んだことないから。
小林さん
まじめ。…って、自分で言ってもいいかな!?
-県立幕張総合高校を選んだ決め手は何でしたか。
小林さん
必修科目以外は、興味ある分野の科目はすべて自由に選択でき、三年間の授業の時間割(カリキュラム)を好きなように組めることに魅力を感じました。それによって、自分の進むべき方向性が必ず見つかると思いました。
宮本さん
以前から興味のあったフランス語を学べる県内では数少ない高校でしたし、しかもそれが選択科目という位置づけで三年間いつでも自由に学べるという点に惹かれました。
小嶋さん
幕張総合のパンフレットを開いたとき、『私はここで楽しい高校生活を送るにちがいない』というひらめきがあったんです。言ってみれば、直感!?(笑)。
-みなさんが将棋をはじめたきっかけを教えてください。
小嶋さん
入学当初、いろいろと部活を見学してまわったときに、雰囲気がとてもアットホームで、居心地がいちばん良さそうだと感じたのが将棋部でした。もともと、物ごとを考えて組み立ててゆくことが好きなので、そこで女性ではあまり馴染みのない将棋にあえて挑戦してみようかな、と。
宮本さん
将来、外国の異文化にふれてみたい、お互いの異なる文化を通して人間関係を築きたいと考えています。そこで、部活動でも日本独特の文化を感じさせるものとして茶道や将棋などに興味を持ちました。将棋にしたのは、その国独自の文化的な遊びやゲームなら、楽しみながら相手にすぐに興味を持ってもらえるかもしれないし、それが異文化交流のひとつの入口として大きく役立つのではないか、と思ったからです。
小林さん
小嶋さんに半ば強制的に部活動に連れて行かれたのがそもそものはじまり(笑)。興味はそれほどなかったけれど、当時の顧問の先生がとにかく誉めるのが上手で、あまり誉められたことのない私にはそれがとても心地よく、そのままズルズルと(笑)。そのおかげで自分でも驚くほど上達していくのが嬉しくて、個人の技量で勝つ喜びも知って、その満足感と充実感に将棋のおもしろさを見出しました。以来すっかりハマっています。
-将棋を通して学んだこと、成長したことは何ですか。
小林さん
私は普段からいやなことがあってもたいていのことは我慢するなど、もともと我慢強い体質です。でも、ただ単に我慢するだけで、心ではツラいと感じたことはいっぱいあります。将棋は、劣勢な局面で我慢していてもけっして勝ちにはつながらないし、勝つためにわずかなチャンスをものにして盛り返していかなければならない。将棋をはじめてそういう経験を何度も重ねた結果、普段の生活においても、自分がいちばんいいと思える方向へと持ってゆくために、どんなに小さなチャンスでもそれを見逃さずに生かせるようになったことです。そうすることで日々楽しいと感じることが多くなったと思います。
宮本さん
私はとても飽き性でした。好奇心は旺盛なのに、どれもうまくいかなくなると途中でいやになってあきらめて投げ出してしまうのがいつものことでした。でも、将棋は勝敗がはっきりするまでは途中で投げ出せない。将棋をはじめてからは、どんな困難な状況に置かれても、必ず巻き返してみせるんだと途中であきらめなくなりました。忍耐力が身についたのだと思います。それから少しでも多くのチャンスを生かせるよう、そのために今自分ができる最大限の努力を惜しまなくなりました。あきらめない心と忍耐力、努力。こういう力は、これから厳しい社会に出たときに、どんな壁も打ち破るような根本を支えてくれる勇気へと変わるんじゃないかな。
小嶋さん
以前の私は人見知りが激しくて、誰に対してでも慣れるまでは無表情で接していました。将棋は相手と対戦するときに、お互いに真剣ですから空気がとにかく重い。それがいやで、この空気をなんとか柔らかくしたいと自分から楽しく話しかけたり、明るく振舞ったりしていました。自ら心をオープンにして、かつフレンドリーにフランクに。それをくり返しているうちに、いつでもどんなときでも楽しく人と接することができるようになったと実感しています。それが自分のなかでいちばん変わったことかな。
-県大会、全国大会は緊張の連続。しかし、そんな緊張感に身を置いたおかげで――。
■一手三十秒内。緊張感は半端じゃない!!
宮本さん
緊張で手が震えて駒が思うように持てないよね。
小嶋さん
たしかに。あらぬところに駒を置いちゃったりとか(笑)。
小嶋さん
一手三十秒だから、気が動転してしまいます。いつもあわてふためいている感じ。
宮本さん
そうそう。この三年間で一生分の冷や汗をかいた気がしました。
小林さん
それに、試合形式は“団体戦”ですが、対戦中は“個人戦”です。「私が勝たないと、勝たないと…」っていう気持ちでさらに緊張して焦ってしまいます。



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