2009-12-19

はばたくチカラ
中学生・高校生の部活File

志望校選択の理由のひとつになる「部活動」。さまざまな部活動を通じて輝いている先輩方の姿を編集部が取材します。

千葉県立幕張総合高校 将棋部(後編)

部員数 男子13名 女子11名
部活動の特徴 男子も女子も、目標は常に全国優勝です。男子は経験者もいますが、女子部員はほとんどが初心者です。駒(こま)の動かし方から、ルールや戦法まで、覚えることはたくさんありますが、経験者が楽しく丁寧に指導します。みんなで強くなろうが合言葉です。相手の指し手の意図を読みながら、自分の主張を指し手で示すことで会話する世界――それが将棋の楽しいところで、いちばんの醍醐味です。自分の主張が通って、勝った時の喜びは最高ですね。(顧問:松丸健一先生)

幕張総合高校の将棋部は男子、女子ともに強豪校として全国的に知られています。女子は高校に入学してから将棋をはじめたという生徒ばかりですが、女子団体(1チーム3名)では9年連続の県大会優勝、3度の全国大会優勝を果たしています。今年度も女子団体で全国大会優勝という輝かしい栄冠を手にした小嶋さん、宮本さん、小林さんも入学当初はまったくの初心者でした。そんな高校生棋士、そう、今どきの将棋ガールズにお話を伺いました。※幕張総合高校将棋部(前編)はこちら

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左から 松丸先生、宮本さん、小林さん、小嶋さん

-将棋が学校の勉強や大学の受験勉強に役立ったことはありますか。
小嶋さん
勉強も勝負のひとつだと思っています。将棋をすることで身についた「誰にも負けたくない」という勝利への執着心は勉強の大きな支えになっています。それから気を緩めるとすぐに相手にとって有利な局面になってしまいかねないので、勝敗が決まるまで集中力を欠かせません。将棋で培った集中力の持続も勉強に大きく役立っています。
小林さん
将棋はあくまでも個人対個人ですが、より優れた手を指すためにはみんなから新しい戦法を教えてもらったり、ときには対戦相手になってもらったりと、自分の力だけではなく、みんなの支えがなければ勝ち得ないことがたくさんあるんです。普段の勉強や受験に向けた勉強も一緒で、私はみんながお互いにわからないことは教え合い、支え合うことで乗り切ってきました。
宮本さん
将棋はその局面、局面でしっかり方針を立てて勝ちにいくものです。受験勉強もいかに効率よくはかどらせるかという意味では、方針を立ててみることが肝心。集中力や忍耐力はもちろん、私自身、将棋を通してものごとを順序立てていける力も身についたと感じています。つまりそれは、やるべきことを整理整とんできるようになったということ。そのおかげで、受験勉強もずいぶんムダを省けたかな。
-2009年度全国高等学校将棋選手権において女子団体で見事優勝!
■チームを支えてくれたみんなに感謝を込めて…ありがとう。
宮本さん
大会でも練習でも、やはり負けることは悔しいしツラい。負けたときの感情をいつも上達へのバネと励みにして、今年度の全国高等学校将棋選手権において、女子団体で全国優勝したときは嬉しくて涙が止まりませんでした。三年間続けた将棋部でのいろいろな思い出が最高の形でひとつになったことに、苦楽をともにした顧問の先生をはじめ、先輩や後輩、そしてチームメイトに感謝したいです。ほんとにありがとう!!
小林さん
去年の全国大会では、私が勝てば全国優勝に手が届いたのに。局面上では私が優勢だったとはいえ、緊張のあまり『二歩』(※)という痛恨の初歩的なミスで負けてしまいました。同じチームだった先輩にただ申し訳なくて…あんなに優しく丁寧に指導してもらったのに…先輩は私を責めないどころか、一緒に大会に出場できたことを逆に感謝されちゃったり…。そんな先輩たちのためにも、今回はどうしても全国優勝という栄冠を勝ち取りたかった。そのリベンジが果たせて、心から嬉しく思っています。あのときは申し訳なさで胸がいっぱいになり言えなかったけれど、今は心から言いたいです。先輩、ありがとう。
小嶋さん
県大会も全国大会も女子団体で出場できるのはひとつの高校から1チーム3名。将棋部には女子が10名以上いるので、出場キップをかけて部員同士がお互いにライバルとして戦わなくちゃいけないことにツラさを感じました。仲間なのに…と切なくて悲しくて。みんなも同じ気持ちだったと思います。でも、勝負の世界だからみんな心を鬼にして戦うしかないんです。私たちが全国優勝できたのも、たとえ出場できないとわかっていても、部員のみんなが私たちに最後まで協力してくれて支えてくれて応援してくれたおかげ。この胸いっぱいの感謝を部員たちに贈りたいです。みんな、ありがとう。
※『二歩』…将棋で禁じられている手の一つ。用いると反則負けになる。
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-将来の夢を聞かせてください。
小嶋さん
私は中学校のときも高校のときも、先生に怒られることが多くて(笑)。ちょっとひねくれたり、すねたりしたこともあります。でも、私を怒るのではなく、私の良いところを見つけて、それをたくさん誉めてくれた先生もいます。私のことをきちんと見てくれる先生がいると思うだけで、晴れやかな気持ちになるし、やる気も出るし、安心感とともに救われた気持ちにもなれるんです。ささいなことかもしれませんが、それだけで学校生活は楽しくなるものだと感じました。だから、私も学校生活が楽しくなるよう、ひとりでも多くの生徒に安心感を持ってもらえるような教師になりたい!
宮本さん
最近、税理士さんと接する機会がありました。税理士と聞くと、お金に関わる専門的な言葉を素っ気なく説明されるものだとばかり思っていました。けれど、私の家族の将来のことを親身になって考えてくれて、家族のために有効なお金の使い方を提案してくれたり、専門的な知識を高校生である私にもわかるように簡単な言葉や図に書いて丁寧に説明してくれたり、そのときは家族や友だち以外にも人の温かみのような優しさにふれたことを覚えています。お金は生きていくうえでとても大切なもの。それを家族や会社のために親身になって考えてくれる税理士という職業にとても興味を持ちました。大学では経済学などを中心に学び、私も人から感謝されるような税理士をめざしたい。
小林さん
私はまだ、将来の自分をどうしていきたいのか、どうあるべきなのか、よくわかりません。それを見つけるために、大学へ進むことを選びました。大学という四年間を有意義に過ごし、そのなかで自分の将来像を迷いながらも確実に描いていけたらなと思います。ただ、ひとつだけ思うことは、私が歩んできた軌跡を社会に残したい。それはけっして単純に有名になりたいという願望ではなくて、社会に出て私がこれから活動してゆくことが少しでも社会の役に立つことであれば、嬉しいということです。そのために、私が今できることを精一杯に努め、その瞬間、瞬間を大切に生きていきたいと思います。
松丸先生
みんなには、ぜひ自分の信じる道を、自信を持って歩んでいってもらいたいです。あきらめず突き進んでゆけば、どんな結果であろうとも、その先には自分なりに見えてくることがきっとあります。みんなの顧問であったことに誇りを感じています。
-幕張総合の魅力は何ですか。
小林さん
卒業単位に必要な科目が自由に選べますから、いろいろな分野に興味を持つことで、『私はこうあるべきだ』というより、『私にはこういう可能性もある』と、自分の知られざる未知の可能性に気づかされることです。何ごとも最初から決めてかかるのではなく、柔軟な発想のもとで物ごとを考えられるようになったことに感謝したいですね。
宮本さん
なんといっても生徒数が1900人以上という大所帯! 友だちはすぐにできるし、これだけの生徒数ですから、どんなに友だちづくりが下手でも自分をわかってくれる友人が必ず現れると思います。また、生徒の数だけ価値観や世界観があるので、毎日が新しい発見の連続。より多くの生徒とふれ合うことで自分の考え方や視野が確実に広がることもあり、常に刺激的な高校生活が送れると思います。
小嶋さん
学年ごとにクラスはあるけれど、時間割がみんなバラバラなので、クラスメイト全員の顔がそろうのは昼のホームルームだけ。だからこそ、学園祭や体育祭といったイベントのときは、みんなが一致団結して、お互いのきずながより深まるんです。それにクラスメイトでなければきっと交わることのなかった生徒たちとも、授業を自由に選択できるからこそ新しい出会いがあり、仲良くなることができます。
-最後に、受験生にひとことお願いします。
小嶋さん
部活も豊富、生徒数の規模も大、単位制など独自のシステムも充実。幕張総合はパワーみなぎる高校です。しかも自主性を重んじるので、自立する基礎体力が身につくところ。ぜひ、高校生ライフを楽しんでください!
宮本さん
今の時点で成績が悪くても、勉強はやればやるほど力がつくものです。辛くてめげそうになっても、諦めないで最後まで一生けん命頑張ってください。
小林さん
受験や高校生活について不安を感じている人もいるかもしれません。でも、どんなときでも不安はつきもの。やってみれば案外できるものです。恐れず行動あるのみ! 自分の力を信じて頑張ってくださいね。    取材協力:千葉県立幕張総合高等学校



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