志望校選択の理由のひとつになる「部活動」。さまざまな部活動を通じて輝いている先輩方の姿を編集部が取材します。
部員数 | 中学生 10名、高校生 6名 |
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部活動の特徴 | 約80年の歴史があるクラブ。同校の卒業生である母にすすめられ、親子二代で所属する者もいるという。初心者も経験者も練習を積み重ねて、最終的にはひとつの曲を演奏できるまでに仕上げる。 容易にはできない長唄の演奏を、一生懸命、真剣に練習しながらも、和気あいあい、楽しく活動することも忘れない。 |
部員8名、コーチの白井ユリ先生、岡けい子先生のインタビューをお送りします。
編集部
長唄クラブは経験者の方が多いのですか?
三井さん(高校2年生)
いいえ、初心者のほうが多いです。私も入学してはじめて長唄に出会いました。もともとは水泳部かバスケ部に入りたかったのですが、日本舞踊をやっている母のすすめで、入部を決めました。
田村さん(中学1年生)
私の場合は、姉が三輪田学園の卒業生なのですが、このクラブに入っていました。姉の活動の様子を見ていて、私も入りたいと思いました。
編集部
伝統あるクラブだとお聞きしました。やはり、お母さまやお姉さまなどのすすめで入る方は多いのでしょうか。
白井先生
実は私も三輪田学園の卒業生で、長唄クラブに入っていたのですが、きっかけは母のすすめでした。入学後、クラブの見学に来てすぐに夢中になり、それからずっと長唄を続けています。いまではプロとして活動していますが、はじまりはこの長唄クラブでした。
母親などのすすめで入る生徒はやはりいます。さらには、この学校に長唄クラブがあると知っていて、クラブに入るために入学する生徒もいるんですよ。
三井さん
その年に演奏する曲は先生が決めてくださり、パート分けもしてくださいます。
編集部
練習した曲は、どこかで発表をされるのでしょうか。
白井先生
10月の三輪田祭、12月の全国学生長唄連盟の演奏会、2月の校内音楽会で発表します。中学1年生は、基本的には歌を担当します。
三井さん
入部して、簡単な曲で楽譜を読めるようにするところから、1年間で長唄を歌えるところまでもっていくので、結構大変です。
太田さん(高校2年生)
1年生以外も、発表の前などには自分が使っている三味線を持って帰って、家で練習をします。
岩本さん
1つの曲を1年で3回の機会に披露するのですが、回を重ねるごとに、上手になっていくんですよ。
▲三輪田祭(左)、校内音楽会(右)での発表の様子。
足立さん(高校2年生)
役立ったというか…長唄をやっていたことで、聴く音楽の幅が広くなりました。長唄だけでなく、お琴の演奏や歌舞伎の音楽も聴くようになりました。クラブで演奏したことのある曲を歌舞伎で聴いたりすると、うれしくなります。
編集部
実際に入学してみて、三輪田学園はどんな学校だと感じていますか?
三井さん
三輪田学園には、ここにしかない、独特の空気があります。伝統校なので規律に厳しい部分もありますが、そのなかでも、それぞれが個性を発揮できる環境です。
岩本さん
生徒数が少ないので、一人ひとりを、先生が細かに見てくださいます。面倒見がいいですね。
足立さん
女性の先生が多いのですが、まるでお母さんみたいです(笑)。入学してからずっと見てくれているので、生徒の個性も認めてくれて、とてもわかってくれている、という感じがします。
太田さん
進路の相談にも乗ってくださり、難しいからといって否定するのではなく、きちんと話を聞いて、適切なアドバイスをくださいます。
三井さん
大学で長唄を専攻し、将来的には白井先生のように、プロとしてやっていきたいです。中学生からはじめたので、ほかの受験生に比べて経験が少ないのが不安ですが、先生に推薦していただいたので、がんばります。
岩本さん
同時通訳になって、海外で働くことが夢です。長唄の経験は、外国で出会う方との話題にもなりますし、続けていきたいと思っています。
インタビュー中は冗談を言って笑い合う場面もあり、明るく楽しい雰囲気でした。しかし、演奏がはじまると一転、皆真剣な表情に。ほとんどが中学生からはじめたとは思えないほどの、本格的な素晴らしい演奏に驚きました。
三輪田学園の魅力を熱く語り、他のメンバーから「長唄マニア」と言われている部長さんをはじめ、皆さんが、自校と長唄を愛している様子が伝わってきました。ご協力いただき、ありがとうございました!
▲最後に素敵な演奏を披露していただきました。