2015-07-30

グローバル教育特集 取組校の紹介
海城中学高等学校


2011(平成23)年、海城中学高等学校は高校からの生徒募集を停止して完全中高一貫校となり、同年に帰国生入試を始めた。募集人数は約30名で、現在は約150名の帰国生が学んでいる。当初は「支援室」という名称で帰国生を支援していたが、海外進学のサポートを充実させることを目指して2012年に「グローバル教育部」が設置された。

海城中学高等学校は、「国家・社会に有為な人材を育成する」という建学の精神のもと、「新しい紳士」の育成に取り組んでいる。「新しい紳士」とは、「フェアーな精神」・「思いやりの心」・「民主主義を守る意思」・「明確に意思を伝える能力」の4つを身につけることであり、これはグローバル教育部に課せられた課題でもある。

グローバル教育部の活動内容は、国際的な視野の育成、在学生の留学支援、海外大学進学の支援、海外研修の充実、英語教育の促進、帰国生の支援など多岐に渡る。担当教員は、英語科を中心として、国語、数学、理科、社会科からとバラエティ豊かだ。


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シンガポール「ACS International」の高校生と音楽交流


帰国生が安心して学校生活を送るための手厚い支援

帰国生入試で入学した生徒に対して、入学後に個人面談を必ず実施している。その後、中1・中2の生徒全員と希望保護者に対して個人面談を年2回実施しており、保護者の約半数が面談を受けている。

勉強面については、具体的な学習アドバイスと必要に応じて補講をしている。また、英語圏からの入学生は英語力を保持・伸長させたいというニーズから、放課後に英語の特別講習を実施している。生活面については、学校生活や友人関係、クラブ活動などについて相談を受け、直接本人或いは保護者にアドバイスをしている。

ところで、保護者の中には「子どもが在学中に海外勤務になった場合、海城に戻れるのか」と心配される方もいるだろう。海外に渡航した中学生は、海城に復学できる権利を残し、高校生は留学終了後も所属学年に戻れる制度がある。この制度を利用して海外で学んでいる生徒が各学年に10人程度いる。


生徒のさまざまな進路希望をバックアップする

一昨年度から学内で「海外大学進学に関する講演会」を開催し、海外進学に関する知識や情報を提供してきた。

今年度からは、海外の大学進学を検討している生徒向けにTOEFL・SAT・エッセイなどの対策をする特別講座を毎週水曜と金曜の放課後に実施している。ネイティブの講師が教えており、受講料は無料である。現在、中2~高2の約30名が学んでいる。

なお、海城中学高等学校は全生徒の約1/3が医学部進学を希望しており、東京大学を初めとして難関大学への進学者も多い。海外進学の希望者は割合としてはまだ少ないが増加しており、支援を拡充させている。


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海外大学進学に関する講演会の様子

ユニークなプログラムを取り入れ、進化を続ける国内・海外研修制度

海城には、国際交流・国際理解を促すための国内・海外研修制度がある。

国内研修の一つとして、毎年8月に2泊3日で「イングリッシュキャンプ」を開催している。中2は単独で、中3・高1は合同で例年100名以上が参加する盛況ぶりだ。滞在中はグループごとにネイティブの教員が1人つき、授業中はもちろん移動中や食事中まで英語漬けで過ごす。英語で理科や数学の授業を受けたり、ラグビーやクリケットといった日本人にはなじみが少ないスポーツを一緒にしたり、スキット(寸劇)を作成して発表するなど魅力的なプログラムが待っている。

海外研修制度には、アメリカ(中3)、イギリス(高1・2)がある。過去にはリーダーシッププログラムや次世代養成プログラムなど実施し、英語でプレゼンテーションをする機会を設けるなど、海城生のための独自プログラムを取り入れ、毎年研修カリキュラムをブラッシュアップしてきた。これには各々定員30名に対して100名以上の希望者が出るほどの人気があり、希望が叶わない生徒もいるため、追加で新たな研修プログラムも計画するという。

今年度は新たに「地球村」という研修を二泊三日で開催した。ここではグローバル時代に生きることの意義、物事を俯瞰的に見るためのグローバルな視点について考え、日本の固有な価値について討論、自分で設定したテーマで3分間スピーチを開催するなどハイレベルな内容に挑戦した。今後「地球村」のプログラムを海城の教育に取り組んでいくことを検討している。


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「地球村」研修中の真剣な生徒たち


広がるグローバル教育部の今後の活動

グローバル教育部の活動目標の一つに「アジア・アフリカ諸国との交流」がある。これまで欧米諸国との交流機会はあったが、アフリカや隣国の韓国・東南アジアの国々と接する機会がなかった。しかし今年度はマレーシアで行われる「World Scholar’s Cup」世界大会やソウルで行われる「日韓高校生交流キャンプ」に参加、シンガポールの「ACS International」の高校生と音楽交流、教員を中心にモンゴルの学校との交流も始まり、アジアの国々との交流が増えてきている。今後はアフリカ諸国との交流も計画している。

グローバルリーダーシップを取れる人材を育成するために、今後も海城中学高等学校の挑戦は続く。


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出張授業の様子(新モンゴル高校)

※「グローバル教育特集」の連載一覧はこちら




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