2015-10-10

海外大学進学の合格体験記 M・Fさん(私立栄光学園高等学校 2015年3月卒業)
海外大学進学という進路に、大きな壁はない

近年、海外の大学への進学を希望する日本の高校生が増加傾向だ。 海外大学進学希望者のために講習をするなど、支援を充実させている私立中学校・高校も増えている。

2013年10月より、文部科学省は留学促進キャンペーン「トビタテ!留学ジャパン」を開始し、グローバル人材の育成に力を入れている。東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される2020年までに、大学生の海外留学12万人、高校生の海外留学6万人を目指して官民協働で留学支援キャンペーンを実施していることから、今後、世界に羽ばたく若者が増えることが予測できる。

離陸する飛行機

中高パスナビ読者の保護者と小・中学生のなかには、「高校卒業後、漠然と海外の大学に関心がある」という方もいるだろう。

今日は、今年9月から米国のGrinnell Collegeに進学を決めたM・Fさんの合格体験記を紹介する。海外大学を受験するには、いつ・何を・どのように勉強すればよいのか、具体的なエピソードも紹介するので、参考にしてほしい。


志望動機について

1.進学される大学を選んだ理由と、決定した時期を教えてください。

Grinnell Collegeに進学することを決定したのは、2015年5月です。まず、すべての学校の合否が出た4月に実際にアメリカの各大学を訪問しました。さらにその後補欠の結果をいただいていた大学の合否が出揃った5月に決定しました。 決定した理由は大きく3つです。

一つ目は、実際に訪問して他の大学と比べて人の温かみを強く感じたことです。訪問中、在校生を含めて多くの方とお話をする機会がありました。そのときに感じたのは、学生同士だけではなく、大学関係者(教授やその他の運営側の方々)と学生の距離感が近く、留学生に対するケアも厚かったことです。

二つ目に、環境です。私は今まで18年間横浜に住んできて、その後東京に引っ越したのですが、いわゆる大都会に住んできました。一方でGrinnell Collegeはアイオワ州にあり、最寄りの空港から大学へ移動する途中の広大なとうもろこし畑では、地平線が見えるほどです。初めて訪問したときは、あまりの建物のなさや地元の人の少なさに驚きましたが、大学生のうちに行かなければ、一生経験しないような環境に思えました。ですので、「キャンパスが田舎にあった」という要素も進学決定の理由の一つです。

そして最後に、お金です。私は最終的に3校から合格をいただいたのですが、Grinnell Collegeがもっとも良い奨学金プログラムを提供してくれました。アメリカの大学に進学することは、とてもお金がかかるので、奨学金の有無は進学先に大きく影響を与えました。


2.国内ではなく海外の大学を選んだ理由を教えてください。

第一に、とても浅はかな考えから興味を持ち始めました。「海外大学進学ってカッコいい」と思ったことです。私が通っていた高校では、海外大学を希望する人はほぼいません。先輩にいくつか先例がありましたが、最終的に私の学年は私一人でした。周りがやっていないことに挑戦するだけでワクワクしました。

二つ目に、英語を学ぶのが大好きだったということです。中学一年生のときはABCの順番もまともにわからなかった私ですが、わからないなりに中2の夏に海外の映画俳優に英語でファンレターを書いてみたり、高校では英語ディベートを始めたり、自分で積極的に英語に関わっていきました。

三つ目に、これは二つ目とも関連するのですが、英語を勉強したかった私は、海外研修に二回(一度は自費、二度目は国際交流プログラム)に参加しました。一度目の研修では自分の英語力の低さにショックを受け、二度目ではホームステイ中に食卓で憲法や保険制度に関する議論が行われていたことに驚きました。そこで、海外に身をおけば日本では経験し難いことが出来るのではと思うようになり、海外大学進学を決めました。

調べていくうちに、アメリカの大学ではリベラルアーツという概念に基づいて、理系文系の間にあまり壁を設けず、幅広い教養を身につけていくことを推し進めているのがわかりました。リベラルアーツ教育に憧れたのも結果的に進学決定の一つです。


受験勉強で苦労したことなど

インターネットで海外大学進学を援助してくれる塾を探し、『igsZ』という学習塾にたどり着きました。ここは、海外大学出願に役立つ哲学の授業を実施していたというユニークな点と、学生と教員のフレンドリーな雰囲気、少人数制だったことが入塾の決め手でした。

受験勉強を本格的に開始した時期は、高校2年生の春です。まずTOEFLの勉強を始めました。


1.TOEFL対策

塾でTOEFLの流れを教わったあとに、何度か受験を重ねていく上でスコアを伸ばしていきました。私の場合全セクション(Reading, Listening, Speaking, Writing)がほぼ毎回同じ点数というバランスタイプだったので、総合的な英語力の向上を目指しました。国際交流プログラムに参加するなどして、ネイティヴの英語に触れるようにしました。


2.SAT対策

高2の9月くらいからSAT単語と呼ばれる単語を覚え始めました。SATでもっとも苦労したのはcritical readingのセクションで、やはり最後まで単語でした。塾の夏期講習でかなりの数のSATの問題を解いて、自分なりのリーディングへのアプローチの仕方やタイムマネジメントを出来るように心がけました。


※「SAT」:アメリカの大学に進学するために必要な試験。

3.エッセイ対策

塾と奨学金機関関連の先輩に見ていただきました。塾では、毎週セッションやオフィスアワーと言って、いつでも質問できる時間が設けられていたので、ひたすらエッセイを書いて提出してを繰り返していました。奨学金機関の先輩方に関しては、定期的に奨学生に限ってセッションが設けられていて、実際に海外大学を卒業された先輩方からのアドバイスやコメントをいただくことが出来ました。


ノートやペンなどの学習アイテム

将来、やりたいことや夢があれば教えてください

まだ具体的な職種はわかりません。なんとなく思い描いているのは、いろいろな人たちと関わる仕事です。そして、何か二つの物の間に立って、関係を良好化するような仕事がしたいということです。

アメリカの大学の特徴的な点は、世界中から優秀な学生が一つのキャンパスに集まってくるということです。そのような人たちと4年間過ごすことで、私がいままで日本で育ててきた「普通」の基準をより柔軟な物にしてくれると思います。これは学部留学ならではのアドバンテージだと思っています。卒業後はその柔軟性を生かした仕事につければと思います。


受験勉強をしていたとき、家族はどのように支えてくれましたか

私の親は英語に詳しくないので、基本的に資料作成等は塾や学校と私が連携を取りながら行いました。家族に最も支えてもらったのはメンタル面で、海外大学進学という夢を叶えるためにできることはしたいから言ってね、といつもサポートの姿勢でいてくれたことが助かりました。学校で海外大学出願者が私だけだったこともあり、悩むことも多かったのですが、よく母に相談していました。


海外大学進学を検討している方に向けて、応援メッセージなどお願いします

海外大学進学はいまだに「何かすごいこと」と捉えられていることが多いと思います。例えば、お金がある特別な家庭の子だけが出来ること、英語に不自由のない帰国子女の子だけが出来ること、課外活動が特筆するほど素晴らしい子だけが出来ること、などです。

しかし、現実はそうでもありません。奨学金を手に入れるチャンスは日本国内の機関にもありますし、大学から全額奨学金をもらって進学する私の友人もたくさんいます。また、私は中学1年生から普通に英語の勉強を始めた、海外経験のない人間です。課外活動に関して言えば、あまり課外活動を活発にして来なかったけど海外大学に進学したいという志を持って実現した子もいます。

ここで私が言いたいのは、海外大学進学という進路に対してあまり大きな壁を感じないでほしいということです。自分で調査したり、学校の先生に尋ねてみたり、イベントに参加してみたり、いろいろなリソースを使って、海外大学進学という選択も視野に入れて欲しいと思います。


※「グローバル教育特集」の連載一覧はこちら




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