最近の高校入試の傾向として、一般入試、特に国語の試験問題での作文の出題がとても増えています(※)。また、多くの学校の推薦入試で作文が課題とされ、公立高校の推薦入試では小論文が出題されることもあります。
旺文社では、小論文・作文を出題傾向に沿って効率的に学習できる『高校入試小論文・作文対策』を2009年11月12日に刊行しました。
この本は、入試作文の対策がもっとも効率よくできるように、小論文と作文の対策を一冊にまとめてあります。「ワークに書き込む」⇒「作文を組み立てる」という手順で、作文がスイスイ書けるようになります。
なんと!今回は特別に、入試本番前の受験生にお役に立つ内容を本書から厳選してお届けします!
★第2回目「作文で得点するコツは何だろう?」、
第3回目「作文と小論文はどう違う?(1)」、
第4回目「作文と小論文はどう違う?(2)」、
第5回目「作文を書くときの基本」もチェック!
近年の入試では、文章を読む力や、漢字・文法などの知識だけではなく、自分の意見や考えを人に適切に伝える表現力を問われる傾向が高まっている。表現力をズバリ問う問題が作文・小論文だ。
では、高校入試で出題される「作文」「小論文」とは、いったいどんなものだろう。出題形式や、取り上げられるテーマに特徴はあるのだろうか。
高校入試の募集要項では、選考課題に「作文」と書かれている場合と「小論文」と書かれている場合がある。また、「作文」や「小論文」とは明記されていないが、「国語」の教科試験の中で「作文」が出題されるケースがある。
まずは、「作文」について見ていこう。
◆入試作文のタイプは二つ
ひとくちに入試作文といっても、大きく二つのタイプがある。一つは、作文だけを書く試験(単独作文)。推薦入試に多いパターンだ。もう一つは、国語の教科試験の一問として出題されるもの(国語作文)。公立高校一般入試に多いパターンだ。 どちらも作文を書くことに変わりはないが、出題形式が大きく違うので、それぞれに合わせた対策と心構えが必要だ。では、それぞれの出題形式をつかんでおこう。
◆単独作文の出題形式
推薦入試で多いのは、作文だけが独立した試験として出題される形式。40~60分の試験時間内に400~800字で作文をまとめるものだ。 時間は長いが字数も多いので、「うわあ、何から書いていいかわからない…」「原稿用紙2枚も3枚も書けないよ」と頭をかかえてしまうかもしれない。 だが、このタイプの作文は、準備をしっかりしておけばだいじょうぶ。よく出るテーマについて、作文の材料を洗い出しておいたり、それを実際の作文にまとめる練習をしておけば、十分対応できる。
◆国語作文の出題形式
公立高校の一般入試で多いのは、国語の試験の一問として出題される形式だ。40~50分の試験時間の中で、数問の読解問題を解いたあとに書くことが多い。字数は100~300字と少なめだが、読解問題を解いたあとに書くので、作文にあてられる時間は10~15分ほどだ。 また、「二段落で書きなさい」とか、「自分の意見と、その根拠となる自分の体験や見聞きしたことを書きなさい」など、何を書くか、どんな形で書くかを指示される場合が多い。 短時間で書くことを決め、指定字数に合わせてまとめることがポイント。これも練習をして慣れておくことが大事だ。
◆小論文の出題形式
公立高校推薦入試では、小論文が出題されることがある。40~60分の試験時間内に、400~800字でまとめるものが多い。「論文」なので、自分の意見を説得力を持ってしっかり伝える必要がある。
実際の入試では、どのくらい出題されているのだろう。次に示すように、作文は全国の公立高校一般入試の約80%で出題されている。公立高校の推薦入試でも、約60%が作文または小論文を出題している。私立高校も推薦入試では半数近い学校が作文を課している。
ワーク形式になっており、書き込みながら自分だけの対策本ができる!
『高校入試 小論文・作文対策』の実際のページを紹介します!
●【文章力・発想力を診断する】
得意分野・苦手分野を知って効率よく学習しよう!
●【ワーク例…自分分析ワーク】
ひとつひとつの書き込み欄を埋めていこう。自然に自分自身や社会について考え、整理することができます。
●【テーマ演習例…志望動機】
「評価ポイント」や作文例、「見直しポイント」を読んで、どんな作文が評価されるかをチェックしよう。