2015-05-12

長岡中学校講演会レポート番外編
スケジュール手帳の活用で自己管理能力を育成

風を起こす学校」で連載された盛永俊弘校長は、2012年に向日市立西ノ岡中学校校長から長岡京市立長岡中学校へ異動し校長として着任された。長岡京市は京都市に隣接し、人口約8万人が暮らす。歴史をさかのぼると、784年に桓武天皇によって奈良の平城京から遷された都である。

同校は1955年に開校し、創立60周年を迎えた。2013年から京都府教育委員会の「学力向上システム開発校」の指定を受け、“「授業の構想力」を磨き、生徒に考え抜く力、質の高い学力を育成する”ことを研究主題として進めてきた。思考力・判断力・表現力や問題解決能力の育成、学習意欲の向上、学力の質の違いに適した評価方法の工夫等を推進している。
さらに、家庭における学習習慣を確立させ、自己管理能力を育成することも目的として活動している。

3月19日の教育講演会取材後に、家庭学習の定着を狙いとしたスケジュール帳の導入の経緯や効果などについて盛永校長から話を伺った。

生徒の手帳活用についてお話される盛永校長と清水章弘先生(3月19日 同校にて)

関西初の試みは、「無謀」だとの声も…

京都府立長岡中学校では2014年から全校生徒約500名にスケジュール手帳を導入した。公立中学校で全生徒にスケジュール手帳を採用したのは、関西初の試みであった。導入当初は、私立の進学校ならともかく、公立中学校で全学年がスケジュール手帳を活用するのは無謀ではないか…という声もあったそうだ。

スケジュール帳を導入したきっかけは、全校生徒のアンケートで家庭学習の時間の短さが明らかになったことからだ。0~30分未満が15~35%、全体のおよそ1/3は30分未満という結果である。自分の生活を見直す中で、家庭学習の時間が少しでも増えればという願いで、手帳の活用を始められた。

スケジュール帳を見ると、見開き2ページに1週間分があり、1時間単位で予定を書き込める。生徒は授業や部活、習い事の時間などを記入する。そのほか、提出物や持ち物、週の目標、1週間の振り返り、毎日の学習時間を記入する欄がある。

手帳会社が2014年度に行ったアンケートでは、「忘れ物や提出物遅れ」に関する質問に、大幅に減った・減ったと回答した同校の生徒は48.6%と、全国平均の30.8%を大きく上回っていた。「1日の学習時間の増加」についての質問に対しては、30分程度が27.4%(全国11.8%)と効果が出ているようだ。

手帳の時間を毎日設ける

学校は、生徒たちにスケジュール帳を渡して終わり、というわけではない。
スケジュール帳を書く習慣を定着させるために、毎日朝5分と夕方5分、毎週金曜日6限の10分間に手帳を書く時間を設けている。

毎週金曜日の6限に「振り返りタイム」が1コマある。この時間に1週間分の主要教科の小テストをすることで、その週の学習内容の定着を目指している。さらに10分間の手帳時間を使って、生徒は1週間の振り返りと次週の見通しを立てている。

また、手帳活用状況の優秀者を校内表彰するなど、モチベーションを上げる取り組みもしている。

嬉しいことに、手帳をしっかり続けている生徒は、「成績が上がった」「時間や目標を意識するようになった」など声が上がっている。生徒に変化が現れているようだ。

盛永校長は、「スケジュール帳をきちんとつけることで、今までの生活を見直すことができます。そして目標管理と時間管理ができるようになります。生徒たちが社会に出てから、自分で見通しをもって生活できるようになるためにもスケジュール帳は役に立つと感じています」と語る。


《編集部より》

高校受験を控えた中学生は、学校の勉強や行事、部活動など毎日忙しい日々を送られていると思います。さらに塾通いとなると家で勉強する時間を作るのは大変です。

スケジュール帳を書いたことがない中学生も、まずは自分の日々の生活をノートに書き出してみてはいかがでしょうか。自分がどのように時間を使っているのかを知ることで、新たな気づきがあるかもしれません。




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