免疫料理人の健康生活アドバイス
2011-06-01健康免疫相談室
梅雨到来…食中毒に気をつけましょう!
Q: 梅雨時期は食中毒が心配です。家庭でできる食中毒対策を教えてください。
梅雨に入り、湿度が高くジメジメした日々が続きます。
湿度が高いので私たちにとっては不快な状態になりますが、細菌にとってはとても育ちやすい季節となります。
O157に続き、生の牛肉から繁殖したO111やドイツで猛威を振るうO104などの大腸菌やブドウ球菌、サルモネラ菌などの細菌による細菌性食中毒が食中毒の6割に及びます。

私が免疫学の研究をしていた時、実験に使用するために大腸菌をしばしば育てていました。
大腸菌を育てるときには、栄養の入った液体の中で気温を37度にして緩やかに揺らし続けます。
栄養の状況や菌の濃度にもよりますが、例えば大腸菌が30分で2倍に増殖するとして、10時間で100万倍にも増殖するのです。
細菌の種類によってもちろん増殖の仕方は違いますが、気温と湿度が高くなると増殖速度が速くなります。
ほんの少しの菌であれば体内に入っても問題がなかったとしても、増えれば増えるほど、食中毒を起こす可能性が高くなるのです。
細菌は腸内で感染、または毒素を出すことで炎症を引き起こし、腹痛や嘔吐、下痢と言った症状を引き起こします。
同じ細菌が同じだけ体内に入ったとしても、食中毒になる人とそうでない人がいます。
これには腸の免疫力とも関係があると考えられています。
上記のように、はじめはほんの少しの菌だったとしても、時間が経つと想像以上に細菌は増殖します。
食中毒にならないために、以下のことに気をつけましょう。
・生ものは生食用の新鮮なもののみ選ぶ
・加熱処理をしっかりとする(菌を殺す)
・細菌に打ち勝つために免疫力を高める
また、6月といえばスーパーなどでもたくさんの青梅が出てくる季節です。
梅に含まれるクエン酸は菌の増殖を抑える効果もある栄養素です。
梅干し作りや梅酒作りを楽しみながら、同時に梅肉を使った料理を作ることもお勧めです。
梅を使ったレシピはこちら! 梅肉とさんまのカルパッチョ、鶏モモ肉の梅肉煮込み
※ 健康に関する疑問や悩みがあれば、下のコメントからお気軽に投稿ください。